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2020.09.03

【開催報告】ミュージアムトーク2020 (第2回 オンライン開催)
※イベントは終了いたしました。

『青い芽』の中学生たち  当日の記録をYouTubeでご覧いただけます。

講師 西浦直子(にしうら なおこ 当館学芸員)

 

開催概要

2020年8月29日(土)14時 から 15時30分(予定)zoom配信

事前申し込み制 : 定員100人(申込先着順)

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『青い芽』の中学生たち 開催報告

講師 西浦直子(にしうら なおこ 当館学芸員)

多磨全生園にあった東村山中学校全生分教室の卒業文集『青い芽』から、在校生たちが何を問題としていたのかをたどりました。
当日の報告では副題を―「転換期」の多磨全生園で綴られた思い―とし、昭和30年代の号を中心に児童の作品16点、ほか大人の作品や版画などを紹介しました。冒頭でパワーポイントの画像が表示されないトラブルがありご心配をおかけしましたが、ほぼ全員の方に最後までお聞きいただきました。ありがとうございました。
参加者からは『青い芽』の編集方針や内容、全生分教室の補助教師と派遣教師について、綴方教育等との関係など数多くのご質問をいただきました。遠方からのご参加、初めてお申込みいただいた方も多く、オンライントークに手ごたえを感じております。
アンケート等でいただいたご意見を活かし、今後もハンセン病問題についてさまざまな切り口からトークをお届けしてまいります。

アンケートより

  • 子供達の作文がとてもしっかりとしていたのでびっくりしました。
  • 今まで聞いたことのある、ハンセン病に関することの多くは、大人達の世界でした。子供、それも中学生の話を聞けて新たな発見がありました。差別や偏見が横行する中での葛藤、夢、それぞれが生々しく伝わってきました。また、現在のコロナ禍の状況と同じような部分があると感じました。貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!
  • オンラインとは言え、間近に入所者の生活や言葉に触れてこられた職員の方からの語りには、胸に迫るものがありました。まだ資料館を訪ねたことがありませんでしたが、ぜひ実際に現地でさまざまな語りに耳を傾けてみたいと思いました。
  • とても充実したトークでした。ありがとうございました。いつか『青い芽』を貴資料館の図書室で読んでみたいと思います。
  • ご紹介いただいた一つ一つの作品に、どれ一つとしてゆるがせにできない重みがあることがわかりました。途中から、能登恵美子さんの『射こまれた矢』を手元に置きながら、お話を伺わせていただきました。
  • 文集に書かれた子どもたちの率直な感情、痛みを丁寧に解説してくださりとても考えさせられる会でした。ハンセン病についていろいろな視点から見ることの重要性を学びました。講師は、自分自身のフィルターで見ているといわれたが、当時の園の子どもたちのことをなんとかそのまま伝えたいという視点をお持ちでとても好感をもちました。
  • ハンセン病の子どもたちの生活世界の一端を知ることができ、とても有意義な時間でした。ハンセン病のことを考える上での視野を、またひとつ広げていただきました。
  • 今日、受講するまでは、ハンセン病に罹患し、家族と離れ入園した子どもたち、あの時代に自分の病気をどう受けとめていたのだろう、どんな思いで毎日をすごしていたのだろう、と胸がつぶれるような暗く悲しい思いで今日を迎えました。今もその思いは消えませんが、お話を聴き、子どもたちの表現に触れ、光を感じました。しなやさか、たくましさ、真っすぐさ、ユニークな感性…どんな状況にあっても損なわれなかった一人ひとりの子どもの力を感じました。また、子どもたちを支えてこられた方々についても学んでいきたいと思いました。
  • 『青い芽』と言うタイトルの発案が1人の少女からと知り、深く心が揺さぶられた。『青い』との表現が、当時の社会の中では既に定着しているのか、あるいは珍しい表し方かどうかは分からないが、この言葉を自らのあり方を表すに相応しいとした少女の日々に思いを寄せたい。
  • 転換期に療養場内で思春期を迎えた子どもたちという視点でのお話は初めてきいたのでとても興味深かったです。大人と子どもの間にいる少年少女の強く青々しい言葉には、大人や子どもが語る言葉とはまた違った印象を抱きました。
  • 貴重なお話をありがとうございました。とても興味深く、勉強になりました。時間が経つのがあっという間に感じられ、もっと西浦さんのお話を聞けたらと思いました。挙げられた作品を通して中学生の人たちの生活や眼差しに思いを馳せ、時に涙しそうになりました。特に、ヴィーナス像制作様子の版画や「けむり」から始まる詩が印象に残りました。そのうえで、最後の考察部分で、年代による変化や表現の背景について述べられていたのを聞き納得し、ただ作品を受け取るだけでなくそれらを問題意識をもって研究することの意義やおもしろさを感じました。以前より長島愛生園については出身地に近いこともありその存在は知っていましたが、今回の2回目のミュージアムトーク企画で初めて国立ハンセン病資料館のことを知りました。ぜひ機会を見つけて訪れたいです。木版画の展示や朗読会も参加してみたいです。次回のミュージアムトークも申し込もうと思います。
  • 作文の数々、どれも胸をうたれました。とくに印象的だったのはバレリーナの夢についての作文で、この言葉が出てくるまでの気持ちの過程を考えると、言葉がありません。朗読会や展示、ぜひ実現したら、伺いたいです。

…ほか多数のご回答をいただいております。ありがとうございました。

開催の様子

当日の記録をYouTubeでご覧いただけます。