イベント詳細

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2023.06.29

【開催報告】
第2回ミュージアムトーク2023 /「らい予防法闘争」七〇年
※イベントは終了いたしました。

「らい予防法闘争」七〇年 当日の記録をYouTubeでご覧いただけます。

講師 田代学(たしろ まなぶ 国立ハンセン病資料館 学芸員) 

今から70年前の1953年8月13日、全患協(現在の全国ハンセン病療養所入所者協議会)は「癩予防法」の改正を求める「らい予防法闘争」を終えました。
「らい予防法闘争」は、入所者に様々な被害を与えてきた「癩予防法」を、治療薬プロミンと日本国憲法が登場した時代に即して、基本的人権を尊重する法律に改正しようとした運動でした。全国で激しい闘争が行われ、やがて入所者は療養所の外へ飛び出し、直接陳情や国会・厚生省前での座り込みにまで踏み切りました。
しかし、ある程度の成果はあったものの、強制収容や療養所内の秩序維持、入所者の外出を禁止する条文がある「らい予防法」が制定されました。その後、この法律は1996年に廃止され、「「らい予防法」違憲国家賠償請求訴訟」の原告側勝訴判決によって、日本国憲法で保障された基本的人権を侵害するものであったとの司法判断が確定しました。
今回のミュージアムトークでは、ハンセン病問題の歴史の中で大きな節目でもあった「らい予防法闘争」を振り返ります。70年前の出来事から、現在のハンセン病問題を考える機会にもしたいと思います。

 

開催概要

【日時】
2023年9月30日(土)14時 から 15時30分

【開催方法】
現地参加(20人まで)/Zoomウェビナーによる配信(100人まで)
※いずれも申込先着順です。
※6月3日(土) 15時30分からお申込みいただけます。
※現地参加をご希望の方は、下記Googleフォームでお申込み下さい。
※オンライン参加をご希望の方は、Zoomウェビナーでお申込み下さい。
※新型コロナウイルス感染症対策の状況等によってはオンラインのみの開催になる可能性もありますのでご了承下さい。

【参加申し込み受付期間】
2023年6月3日(土)15時30分 から 2023年9月30日(土)12時まで(定員に達し次第締め切ります)

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「らい予防法闘争」七〇年 開催報告

講師 田代学(たしろまなぶ 国立ハンセン病資料館学芸員)

当日は、会場12人、オンライン76人のご参加をいただきました。
今回は、開催中の企画展「「らい予防法闘争」七〇年」とのタイアップ企画としてお送りしました。
前半は、企画展の展示内容に沿って、「全患協の誕生」、「「らい予防法闘争」の始まり」、「“基本的人権“を求めた闘い」のトピックをお話ししました。後半は、闘争をリードした多磨全生園入所者・鈴木寅雄の証言テープを聴きながら解説し、最後にまとめとして闘争の意義をお話ししました。

アンケートより

  • 支援される人ではなく、自ら闘う人としての回復者の方々の話は大変勉強になりました。
  • 鈴木さんと林園長とのやり取りを実際の音声で聞けたことで、どれほどの思いを込めて動いていたのかがより伝わってきた。
  • らい予防法闘争の概要が分かった。社会の無理解や差別がある中、患者たちの切実な気持ちがよく理解できた。
  • 人間はなぜ差別するのだろう。人間ていいなと思える日常がありながら、今この時も差別され隔離され辛い状況に置かれている方を思うと、なんとも言えない気持ちになる。また、自分の置かれた非情な状況に屈せず声を上げる方が必ずいらっしゃる。私はそういう方と共に歩みたいし、自分も“この状況はおかしいのでは?”と、声を上げる人間でいたい。
  • 闘争の時代を、このイベントにより生き生きと捉えることができました。お礼申し上げます。今後、当時の全生園ではどのような居住環境で、どのように闘争と生活を両立させていたのかに関わる展示やイベントを希望します。特に不自由者の動向に興味があります。
  • 今回は会期中に資料館まで特別展を見に行くことが出来ないため、スライドを用いて詳細に伝えて頂けて有難かったです。「全患協が求めた法案の内容」は現代の視点で読むと、ごく当然の望みですが、それまでの「当然(社会的慣習)」を乗り越えるのは、いつの時代も大変なことであると痛感しました。ハンセン病のことを学べば学ぶほど、差別を始めとする現代社会の様々な問題と繋がるところがあり、奥深さを感じます。
  • 学芸員の方が非常に丁寧に一次資料にあたって調査、研究されていたのがよく伝わってきました。70年前の出来事ですが、現在の日本におけるさまざまな課題にもつながっていることがよくわかりました。ありがとうございました。
  • 知らなかったことも多く、実際に学芸員の先生からお話を伺うことができて充実した時間になりました。展示はある意味一方通行ですが、ミュージアムトークは応えてくれる展示というか、展示以上のものを学べた気になりました。また参加したいです。
  • お話しありがとうございました。現在でもハンセン氏病当事者の方々が生きにくい差別があり、正しい認識が社会を構成している人々に知られていないため、当事者とその家族が防衛的にならないといけない状況があること残念に思いますし、今回のようなミュージアムと講演などの活動は重要であると思いました。
  • 「らい予防法闘争」の具体的な経過を丁寧に解説いただき、ありがとうございました。とりわけ当時の全患協の運動の方法論や背景、そして、政府や政党、団体などの対応やハンセン病回復者への差別的な視点などを学ぶことができました。ご準備いただいた職員の皆様、そして、学芸員の皆様へ感謝申し上げます。

…ほか多数のご回答をいただいております。ありがとうございました。

開催の様子

 

≪お問い合わせ≫
国立ハンセン病資料館 ミュージアムトーク担当 mt@nhdm.jp
※休館日およびイベント当日12時以降はご対応できません。事前にお問い合わせください。