イベント詳細
2024.08.30
ギャラリー展「富山秀伯作陶展 ―隔離の壁を越える作品たち―」
※イベントは終了いたしました
開催にあたって
富山秀伯【名前:富岡克行】さんは1948(昭和23)年に群馬県に生まれ、ハンセン病を発病し、1961(昭和36)年に多磨全生園に入園しました。現在も多磨全生園で暮らしています。
療養所のなかで富山さんは様々な趣味に没頭しますが、とりわけ大きな生きがいとなったのが陶芸でした。1980(昭和55)年から多磨全生園陶芸室に籍を置き、陶芸にのめりこんでいきます。やがては陶芸を生業として社会復帰することを目指し、公募展へ出品するようになりました。しかし、実力者が集まる大きな公募展では落選し続けます。それでも富山さんは諦めず、実家の梨園の梨の木の灰を釉薬に用いた大壺「紫陽花」を作りました。作品は目標としていた権威ある公募展でみごと入選を果たします。
これに手ごたえを感じた富山さんは、本格的に陶芸家の道を目指しますが、資金面や自身の障がいの都合で社会復帰は断念しました。しかし、その後も作陶活動を続け、東村山市中央公民館の陶芸講師を担当し、1991(平成3)年には教え子の勧めもあり個展を開催することができました。
趣味として始まった陶芸は、社会でも通用するプロフェッショナルの域にまで達し、ついには市民との交流を生み出しました。こうして富山さんは、作陶活動を通じて「隔離のもとでの社会復帰」を実現したと胸を張ります。
隔離の壁を越え社会との交流を生んだ富山さんの作品をぜひご覧ください。
開催概要
【会期】
2024年10月16日(水) から 11月4日(月・祝)まで
※イベントは終了しました
【場所】
国立ハンセン病資料館 1階 ギャラリー
【開館時間】
午前9時30分 から 午後4時30分 まで(入館は午後4時まで)
【休館日(開催期間内)】
10月21日(月)、10月28日(月)
【会場風景】
【作品紹介】
イベント ※終了しました
富山秀伯作陶展ギャラリートーク
【日時】 2024年11月3日(日) 13時30分 から 13時50分 (約20分)
【会場】 国立ハンセン病資料館1階 ギャラリー(無料)
【定員】 先着20名(受付にて当日13時より整理券配布)
【内容】 担当学芸員(田代学)が富山秀伯作陶展を解説します。
※上記の内容は予告なく変更する場合があります。
リーフレットのダウンロードはこちらから
≪お問い合わせ≫
国立ハンセン病資料館 事業部事業課 田代学(たしろまなぶ 本展担当学芸員)
〒189-0002 東京都東村山市青葉町4-1-13
TEL: 042-396-2909
※休館日はご対応できません。事前にお問い合わせください。