はじめてのみなさんへ
  • 今(いま)からおよそ90年前(ねんまえ)（1930年(ねん)ころ）、日本(にほん)はすべての患者(かんじゃ)さんを療養所(りょうようじょ)へ閉(と)じ込(こ)めてしまうことにしました（絶対隔離(ぜったいかくり)）。いったん療養所(りょうようじょ)に入(い)れられた患者(かんじゃ)さんは、死(し)ぬまで外(そと)に出(で)られず、家(いえ)にも帰(かえ)れないようにしたのです（終生隔離(しゅうせいかくり)）。
  • それまでよりもたくさんの患者(かんじゃ)さんを閉(と)じ込(こ)めるために、療養所(りょうようじょ)を広(ひろ)げたり、新(あたら)しくつくったりしました。
  • 国(くに)や県(けん)は、「ハンセン病(びょう)は治(なお)らないし、恐(こわ)い病気(びょうき)だ」「療養所(りょうようじょ)はとても良(よ)い場所(ばしょ)だ」と宣伝(せんでん)しました。そして人(ひと)びとに、近(ちか)くでハンセン病(びょう)の患者(かんじゃ)さんや患者(かんじゃ)さんの家(いえ)を見(み)つけたら、警察(けいさつ)や役所(やくしょ)の人(ひと)に知(し)らせるようにさせました。
  • それぞれの県(けん)で、どこが早(はや)く全部(ぜんぶ)の患者(かんじゃ)さんを療養所(りょうようじょ)に入(い)れてしまえるか、競争(きょうそう)までしました（無癩県運動(むらいけんうんどう)）。
  • 太平洋戦争(たいへいようせんそう)が起(お)きると、患者(かんじゃ)さんたちは病気(びょうき)で役(やく)に立(た)たない人間(にんげん)だと見(み)られて、よけいに冷(つめ)たくされました。