2018年4月24日

2018/4/24 湯之澤と楽泉園をモデルにした新聞小説の連載が完結しました

 平成30年4月21日(土)、かつて草津温泉に実在したハンセン病者の集落「湯之澤」から「栗生楽泉園」につながる歴史をテーマにした小説「死の川を越えて」が完結したことを記念するレセプションが前橋市で行われました。この小説は上毛新聞社の連載小説として平成28年12月から115回にわたって連載され、ハンセン病の元患者やその家族の人権を訴えたものです。国立療養所栗生楽泉園入所者自治会の藤田三四郎会長らが発起人となり、完結を記念するパーティーを開いたもので、藤田会長はスピーチの中で「ハンセン病問題に対する国民の理解を促した。」と称賛するとともに、「次世代を担う若者達にも是非読んでもらいたい大変素晴らしい作品である。」と述べました。当館の北原主任学芸員も来賓として出席し、スピーチしました。この小説の著者で作家の中村紀雄氏は、元群馬県議で平成17年5月から県議会議長を勤めた後引退して作家に転身しました。氏は「死の川を越えて」の執筆にあたり、草津町や旧六合村などハンセン病と療養所の歴史にゆかりの地を足しげく取材し、栗生楽泉園や当館へも何度も取材にみえました。もちろん小説ですからストーリーに登場する地名や人物はほとんどフィクションですが、その中で語られるハンセン病の元患者やその家族に起きた出来事や苦悩は、ち密な取材と聞き込みに裏打ちされた史実に限りなく近いものです。連載した上毛新聞社では将来の単行本化も検討しているとのことです。

会場に向かう藤田会長(92歳)

著者の中村氏と藤田会長

スピーチする藤田会長

あらすじ1

あらすじ2