2018年3月28日

2018/3/28 アウシュビッツを視察しました

 本年1月、当館の柏木学芸員は、第二次世界大戦中、ナチスによる強制労働、大量殺戮(ホロコースト)の舞台となったポーランドのアウシュビッツ博物館を訪問し、欧州の負の歴史に関わる人権啓発の実態とその展示・解説方法を視察しました。かつてアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所では、ナチスによる人類史上、類を見ない大量殺戮(ホロコースト)が行われました。展示品には、子どもの靴、義足や杖、大量の髪の毛などがあり、一人一人の犠牲者にかけがえのない人生があったことを教えてくれます。現在、アウシュビッツ博物館には世界中から見学者が訪れていますが、EU(欧州連合)の教育プログラムでは同地の見学を組み入れており、欧州中の生徒・学生がたくさん訪れるそうです。
 当館でも我が国のハンセン病をめぐる差別と偏見の解消に向けた普及啓発に取り組んでいるところですが、絶対隔離政策のあやまちを踏まえ、次世代に向けて今後どのような社会を築き上げていくのか、そのために何を伝えていくのかが問われています。私たちが未来の人々に対して大きな責任を負っていることを改めて実感しました。

マイダネク強制収容所

シャワー(マイダネク強制収容所)

チクロンB(アウシュビッツ博物館)

ビルケナウ強制収容所