2018年3月28日

2018/3/28 全米日系人博物館で人権教育プログラムの視察をしました

 北原主任学芸員は、今年2月に行ったアメリカ合衆国での資料調査で羽田から空路ルイジアナ州とワシントンDCに向かう途中、乗り換えの合間を利用してカリフォルニア州ロサンゼルスのアメリカ国立全米日系人博物館が行っている人権教育プログラムを視察しました。ここは、第二次大戦中、日系人を強制収容した歴史を中心に、明治初期からの日系移民の受けて来た偏見差別と生活の歴史が学べるよう工夫した教育プログラムを企画・実施しており、視察当日も小学生の団体が見学していました。また、第二次大戦や強制収容を経験した日系二世の方々との懇談も行い、俗に「ホワイト・カリフォルニア思想」と呼ばれる当時の日系人社会に向けられた排斥運動と厳しい生活の実態を伺いました。1月の柏木学芸員によるアウシュビッツ博物館の報告にもあるように、排他主義的な迫害は世界中のどこにでも起こり得ることを痛感しました。全米日系人博物館の人権教育プログラムには参考になる部分も多くあり、今後機会をとらえて当館の普及啓発活動にも活かして行きたいと思いました。

全米日系人博物館

小学生グループの見学

貴重な経験をお話しくださった日系二世のHelenさん(左)とHenryさん。

是非重監房資料館を見学したいと言っていた高校教師の二人

博物館の向いにある旧ロサンゼルス西本願寺には、日本軍の真珠湾攻撃の直後に強制収容される日系人が集められた。