2023年7月19日

7月25日から「2023 年度企画展 蘇るハンセン病患者とその家族 -木村仙太郎の生存記録:長島愛生園1939-1941 -」を開催します

 重監房資料館は、2023年春にドキュメンタリー「学芸員レポート2.5 仙太郎おじさん!貴方は確かにここにいた~蘇るハンセン病患者とその家族~」「学芸員レポート3 無らい県運動をたどる~ハンセン病患者強制収容の実態~」をリリースしました。開館5周年の節目に2019年に公開した「遺族ふたり」プロジェクトの続編です。前編の出演者でもあったハンセン病患者の遺族・木村真三さんの協力を再び得て、新作は完成しました。
ドキュメンタリーのクライマックスは、遺族・木村真三さんの決断。長島愛生園に強制収容された大伯父・仙太郎さんの資料開示請求から、開示資料の解読作業、そして資料公開に至るまでです。その様子を漏れなく映像に収めましたが、この度、重監房資料館では、木村真三さんとご家族のご厚意と長島愛生園のご協力を得まして、木村さんの強い希望により長島愛生園歴史館企画展で公開された資料、すなわち故・木村仙太郎さんの写真、診療録、解剖承諾書そして解剖記録等のパネル展示を行うことにしました。会場では、木村さん出演の映像も流しております。
 公開自体が貴重なパネル資料、そして映像を通して、ハンセン病患者の遺族・木村真三さんの思いにふれてみませんか。今、「他人事を自分事に」と発言する木村さんは、自らの放射線衛生学者としての研究歴に重ねて、ハンセン病問題に留まらない人権啓発活動への行動の伴う決意を新たにしています。木村さんの言動に触発されて、「MeToo!」と言えるように、私たちも応答可能性を探ってみるべきではないでしょうか。最初の一歩踏み出すために・・・。皆さんのご来館をお待ちしております。

会期:2023年7月25日(火)~12月26日(火)

展示の様子

◆イベント情報
市民・人権フォーラム2023 ~ハンセン病患者遺族の「想い」に触れて~
 日時:8月11日(祝:金) 13時00~16時30分(開場:12時30分)
 場所:東京都東村山市中央公民館ホール(入場無料:先着順)
 主催:ハンセン病問題を知る企画実行委員会・重監房資料館

 内容:木村真三さん講演会(30分)
    「通底する問題としてのハンセン病~患者遺族として名乗り出た理由と決意~」

    ドキュメンタリー上映(60分)
    「仙太郎おじさん!あなたは確かにここにいた~蘇るハンセン病患者とその家族~」

    シンポジウム(100分)「偏見と差別に抗う私たちのMeeToo運動」

 登壇者:木村真三さん(ハンセン病患者遺族・独協医科大学准教授)
      鶴田能史さん(ファッションデザイナー・tenbo代表)
      田川誠さん/深澤慎也さん(画家/ディレクター)
      サヘル・ローズさん(俳優・タレント)
 司会・進行 黒尾和久(重監房資料館部長)