2014年10月24日

2014/10/24 作家(故)沢田五郎さんの7回忌にあたって

新潟中越地震から10年目の10月23日は、奇しくも元入所者で作家の(故)沢田五郎さんが亡くなってから7回忌にあたります。
当館前庭に名残のコスモスが咲くこの日、沢田さんと生前懇意にされておられた入所者の金夏日(キム・ハイル)さんにお話しを伺いました。
金さんご自身もまた著名な歌人であり、亡き沢田さんの後を引き継いで短歌会の会長をされておられます。
沢田さんは「とがなくてしす」などの作品中に重監房を取り上げており、当館の展示にあたっても氏の作品から多くの引用をさせていただいております。
金さんによれば沢田さんは自然をこよなく愛し、野鳥や動植物の生態にも通じていたため仲間から「野鳥博士」と呼ばれていたそうです。
もっとも、沢田さんご本人は「雑学博士」を好んで自称されていたそうですが、重監房にまつわる事柄の描き方にも観察力の鋭さが随所に窺えます。
金さんは「とにかく(沢田さんは、)物知りだった。何でも良く知っていたいたよ。勉強熱心な人だったからなぁ。」と懐かしそうに振り返っておられました。
ご存命であればもっと多くの証言を頂けたはずと思うと残念ですが、今は静かに故人のご冥福をお祈りしたいと思います。

〇名残のコスモスの花
名残のコスモスの花

〇金さんが暮らす不自由舎
金さんが暮らす不自由舎

〇金さんの居室前
金さんの居室前