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2011.03.07

2011年度企画展のご案内
※イベントは終了いたしました

高山勝介作陶展

高山勝介作陶展ポスター

本展覧会では高山勝介氏による陶芸作品をご紹介いたします。
高山氏は1926年に東京で生まれました。戦後ハンセン病を発症し、1946年に多磨全生園に入園します。入園後は様々な園内作業に従事し、結婚し、畑仕事を始め、園内にある宗教団体の秋津教会に入会するなど、療養所の中で生活を送ってきました。
しかし1979年頃ハンセン病の後遺症で視力が低下し失明しかけます。視力が低下して落ち込んでいた時、多磨全生園のリハビリテーションの一環として設けられていた陶芸室に通う藤田四郎氏から「土をこねているだけでもいいから」と声をかけられました。それから30年以上、今に到るまで作陶活動を続けています。
作陶が目の直接的な治療になったわけではないでしょう。しかしそれが高山氏の気持ちを前向きにし、生きがいになっていったことは確かです。それは絶望や後遺症を乗り越えて療養所の中で生きる糧を見出したということでもありました。ハンセン病回復者が自身の後遺症と付き合いながら生活していかなければならないことを考えたとき、現在まで作陶活動を続けていること自体が貴重です。またその手から生み出された作品は高山氏の生きる姿そのものではないでしょうか。
本展覧会では高山氏が制作した作品を高山氏の歩みを知ることができる写真とともにご紹介いたします。本展覧会に向けて高山氏が制作された新作も展示いたします。高山氏の姿を感じさせるこれらの作品をこの機会にぜひご覧ください。

開催概要

【会期】
2011年2月11日(金) から 3月6日(日)

【休館日】
月曜日、祝日の翌日(2月12日は休館)

【会場】
国立ハンセン病資料館1階 ギャラリー

【開館時間】
午前9時30分 から 午後4時30分(入館は午後4時まで)・入場料無料


陶芸室に貼られていた写真
1980年前後


陶芸室で初めて作った作品 鶴首
1979年頃


炭化窯変壺
1998年

企画展のちらしをダウンロードできます。(PDF:1,172KB)