- 療養所で必要な仕事はたくさんありました。でも、お医者さんや看護師さん、患者さんのお世話をする職員は、少ししかいませんでした。
- 患者さんたちは、病気を治すどころか、食事のしたくや着物の洗濯、大工さん、病気の重い患者さんのお世話など、職員がするはずの仕事をさせられました。こうした労働は、「患者作業」と呼ばれました。
- 労働のお給料はほんの少しで、このお金は患者さんたちの食べ物や包帯などを買うためのお金から支払われていました。お給料をもらう人が増えたり金額が増えたりすると、食べ物を買うお金などが減るしくみだったのです。
- 患者さんたちは、知覚麻痺や運動麻痺などの症状がありました。それでも仕事をさせられたために、ますます病気を悪くし、手足を悪くして切断したり、失明してしまったりもしました。
- ハンセン病を治せる薬がなかった時代でも、無理な労働がなければ、後遺症は軽くてすんだはずでした。
- こうして患者さんたちは、病気を治すために入ったはずの療養所で、病気や障害を重くしていったのです。