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> はじめてのみなさんへ(展示室 2 癩療養所 7 )> 結婚・断種・中絶
療養所
(
りょうようじょ
)
では、
患者
(
かんじゃ
)
さんどうしの
結婚
(
けっこん
)
が
認
(
みと
)
められました。
結婚
(
けっこん
)
すれば、
療養所
(
りょうようじょ
)
で
一生
(
いっしょう
)
を
生
(
い
)
きようと
決
(
き
)
め、
故郷
(
こきょう
)
へ
帰
(
かえ
)
りたいと
思
(
おも
)
う
気持
(
きもち
)
ちをなくさせて、
患者
(
かんじゃ
)
さんたちの
逃走
(
とうそう
)
をふせげると
考
(
かんが
)
えたのです。
夫婦用
(
ふうふよう
)
の
住
(
す
)
まいがなかったので、
結婚
(
けっこん
)
しても
一緒
(
いっしょ
)
にくらすことができませんでした。
昼間
(
ひるま
)
は
別々
(
べつべつ
)
の
部屋
(
へや
)
で
過
(
す
)
ごし、
夜
(
よる
)
だけ
夫
(
おっと
)
が
妻
(
つま
)
のくらす
家
(
いえ
)
に
通
(
かよ
)
う、という
結婚生活
(
けっこんせいかつ
)
でした。
結婚
(
けっこん
)
しても、
子
(
こ
)
どもを
産
(
う
)
むことは
許
(
ゆる
)
されませんでした。
子
(
こ
)
どもに
病気
(
びょうき
)
がうつるかもしれない、
療養所
(
りょうようじょ
)
の
中
(
なか
)
では
子
(
こ
)
どもを
育
(
そだ
)
てさせない、
育
(
そだ
)
てる
施設
(
しせつ
)
がない、などの
理由
(
りゆう
)
で、
子
(
こ
)
どもを
産
(
う
)
むことを
禁
(
きん
)
じられたのです。
結婚
(
けっこん
)
が
決
(
き
)
まると、
男性
(
だんせい
)
には
子
(
こ
)
どもができないようにする
手術
(
しゅじゅつ
)
が
行
(
おこな
)
われました。
妊娠
(
にんしん
)
した
女性
(
じょせい
)
には、
産
(
う
)
まれる
前
(
まえ
)
の
赤
(
あか
)
ちゃんをおなかの
外
(
そと
)
に
出
(
だ
)
してしまう
手術
(
しゅじゅつ
)
が
行
(
おこな
)
われました。これらの
手術
(
しゅじゅつ
)
を
断種手術
(
だんしゅしゅじゅつ
)
といい、
生
(
う
)
まれてくるはずの
命
(
いのち
)
の
尊厳
(
そんげん
)
をうばうものでした。
入所者
(
にゅうしょしゃ
)
のなかには
子
(
こ
)
どもや
孫
(
まご
)
のいない
人
(
ひと
)
がたくさんいます。
断種手術
(
だんしゅしゅじゅつ
)
のために、
患者
(
かんじゃ
)
さんは、
子
(
こ
)
どもの
成長
(
せいちょう
)
を
見守
(
みまも
)
ることも、
年
(
とし
)
をとってから
孫
(
まご
)
の
成長
(
せいちょう
)
を
楽
(
たの
)
しみに
過
(
す
)
ごすこともできなくなってしまったのです。